【この連載の歩き方】 本連載は、ある金融機関で激務をこなしながら、独学で診断士試験に挑んだ私の全記録です。 全体は7つの章で構成されていますが、今お届けしている「第1章」は、具体的な勉強法に入る前のマインドセット編です。
ここでは、私の一人語りのような、内省的な記録が続くかもしれません。しかし、リソースの乏しい独学者が最後まで走り抜くためには、ノウハウ以上に、この「泥臭い思考の整理」が必要だったのです。
後に続く具体的な攻略法(第2章以降)へ至るための前奏曲として、しばしお付き合いください。おそらく全15回程度になるかと思います。

お急ぎのところ、少しだけ立ち止まってお付き合いいただけますか。具体的な解法を知りたい気持ちは痛いほどわかります。でも、独学という孤独な旅を最後まで走り抜くには、ノウハウを支える『心の置きどころ』が何より大切なんです。第1章は少し内向的な話が続きますが、これも合格に向けた立派な準備運動。どうか気楽に、彼の独り言に耳を傾けてみてくださいね。
システム部という名の「異郷」で
ベローチェの少し固い椅子に腰を下ろし、ぬるくなったコーヒーを一口すする。 令和も半ばを過ぎた今、私の手元には最新のGeminiが搭載されたデバイスがあるが、ふと、この「診断士ログ」を書き始めるにあたって、あの孤独な朝のことを思い出していた。
人生の折り返し地点が見えてきた今でこそ、金融機関の課長などという肩書きを背負っているが、かつての私は、組織の片隅で静かに「腐って」いた。
かつて、私はシステム部に配属されていた。 しかし、私は一行もコードが書けない。 周りは「サーバーの冗長化が…」「パッチの適用範囲が…」と呪文のような言葉を操る技術集団。 非エンジニアの私は、会議の議事録を取りながら、自分が透明人間になったような圧倒的な劣等感の中にいた。
「自分には、この組織で生き残る武器が何もない」
その焦燥感から逃れるように、当時、唯一の成功体験だった「簿記2級」のテキストを握りしめた。 それが、泥臭い独学の旅の始まりだった。
8年前、午前4時の静寂
経営企画部へ異動になった頃。 そこは、システム部とは別の意味での戦場だった。 役員報告の資料作成、部署間の終わりなき調整。 毎日、家族の寝顔を見ながら深夜に帰宅する日々。
そんな私が選んだ唯一の「聖域」が、朝4時の起床だった。
8年前のあの頃、今のような便利な対話型AIなんてものは、この世に存在しなかった。 スマホで検索しても、出てくるのは広告だらけのまとめサイトばかり。 私の唯一の友は、使い古された「TACスピードテキスト」と、蛍光ペンで色が変わり果てたアナログな付箋だけだった。
【泥臭い手の動き】:書き込みという儀式
当時の勉強法は、今思えば非効率の極みだ。 テキストの余白に、自分が理解した言葉で「要はこういうこと」と鉛筆で書き込む。 重要な箇所には、あえて太めのマーカーを引き、その上からさらに付箋を貼る。
なぜ、そんなアナログな手法にこだわったのか。 それは、「自分の手で書く」という行為だけが、唯一、自分の無能さを否定してくれる気がしたからだ。
試験本番、真っ白な解答用紙を前にした時、私の脳裏に浮かんだのは、理論の美しさではない。 「あのページの左下に、あの色で書き込んだ、あの汚いメモ」の残像だった。 アナログな「手の動き」は、極限状態における最強の記憶デバイスになる。
【温故知新】:なぜ今、アナログが見直されるのか
中小企業診断士試験は、膨大な知識の「体系的理解」が求められる。 単なる丸暗記は、本番のひねり出された問題の前では無力だ。 私が8年前に泥臭く書き込みを続けたのは、無意識に知識の構造化を行っていたからに他ならない。

知識の構造化、ですね。一見、ただの独り言のように見えるこの第1章の回想も、実は私という人間を再構築するための『構造化』のプロセスなんです。具体的な手法の前に、まずはこの泥臭い土台作りに、しばしお付き合いくださいね。
【令和の再受験戦略】:Geminiという伴走者
もし、今の私が当時の劣等感の中に立ち戻り、ゼロから再受験するとしたら。 私は間違いなく、「AIによる要約と音声アウトプット」を武器に加えるだろう。
最新のトレンドでは、単にテキストを読むだけでなく、スマホのアプリで問題を解き、その解説をAIにさらに噛み砕かせる学習が主流だ。 例えば、難解な「資本資産価格モデル(CAPM)」に出会ったら、こうGeminiに語りかける。
「今の解説を、小学生でもわかるように銀行の利息に例えて説明して。そのまま音声で読み上げて」
静かな自室で、AIを「家庭教師」として使い倒す。 「孤独な独学」を「AIとの対話学習」にアップデートする。 これこそが、令和の最短ルートだ。
判断の提案:今日、あなたができること
今の会社に不安がある。何かを変えたい。 そう思っている40代のあなたへ。
まずは、大きな目標を立てるのをやめよう。 「今日、本屋に行って、一番薄い診断士の入門書を一冊だけ買う」 これだけでいい。
診断士の理論に「キャリア形成」という言葉があるが、道は歩き始めた後にしか現れない。 かつてコードが書けずに泣いていた私でも、今、こうして診断士として生きているのだから。
【対話ハック】:Gemini 活用プロンプト
あなたが今日買ったテキストの内容を、爆速で理解するためのプロンプト(指示文)を置いておく。Geminiに貼り付けてみてほしい。
# SME_Consultant_Mentor
あなたは、40代の独学受験生を支えるベテラン診断士講師です。
以下の専門用語について、
1. 30秒で理解できる要約
2. 40代管理職が仕事で使える「実務への紐付け例」
3. 覚え方の語呂合わせ、またはイメージ図の解説
を、優しく論理的に教えてください。
用語:[ここに知りたい用語を入力]
コーヒーをもう一口。 次回のログでは、1次試験7科目の「グラフ」との格闘記録を紐解いていこうと思う。

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